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2009.06.25

「慰霊」の意味

22日の月曜日に、新宿にあるライブハウス「ネイキッドロフト」さんで行われた『慰霊の意味を問う〜話と唄』というイベントに行って参りました。

ネイキッドロフトさんは、この「慰霊の日」のイベントをもう4年程前から行っていて、わったー師匠の古我地さんもこのイベントにはちょくちょく出て下さっているので、毎年見に行くようにしていました。
今年は他に佐渡山豊さん、元沖縄県知事の大田昌秀さんと、エネルギーや基地問題に詳しい田中優さんという方が参加なさるとのことで楽しみしていました。


大田さん。

Ootatiji

直接本人にお会いするのは始めてだけど、テレビで良く見て記憶に残るお顔だったので、なんだか親しみを感じます。
もう83歳だそうですが、そうは見えない、若々しさが伺えました。

沖縄の普天間基地の移転問題でお国の命令に反対して、ずっと署名を拒んで来た時の苦渋に満ちて目を閉じていたお顔をテレビで見て、強く印象に残っている方も多いかも知れません。
あの時の沖縄県の知事さんです。


そして私も知らなかったのですが、沖縄の糸満市の摩文仁に「平和の礎(いしじ)」という、戦没者の方の名前を刻んだ彫刻が並ぶ「沖縄平和資料館」という所があるのですが、その発起人だということでした。


その場所は沖縄戦で多くの死者を出した摩文仁の丘にあるのですが、その真下の海で「ひめゆり部隊」の方たちが沢山命を落とされました。
今は綺麗な海と建物が目に入るのですが、65年程前には今からは想像もつかない焼け野原の戦場だったわけです。

「ひめゆり」の生存者の方のお話を伺った時にも思ったのですが、やはり実際に体験した方の口から直接お話を聞くと、全然重みが違います。
大田さんもその方たちも皆さん普通の方であり、決して話しが上手い訳ではありません。
むしろとつとつとしていて、しゃべりの技術としては下手な方かも知れません。


それでも感動するのは何故か。
経験者にしか判らないものがあるから、本当に真実をしゃべるからだと思う。
そしてその方たちに共通しているのは、「事実を知って欲しい、知らせなくては」という、とても大きな使命感のようなエネルギーがあるように感じました。
それがパワーとなって聞いている人の心を打つんだと。


けれど例えばそれが同じことをいっていても、本やメディアで見るのと、実際に目の前で言葉で発しているのを聞くのとではまた全然違います。
「言霊」という言葉があるけど、あの方たちはまさに魂を込めて真実を話しているから、聞いている者の心を打つんだなあ、と思います。

直接お話をしたかったのですが、忙しいようでご自分の講演が終わるとすぐ帰ってしまわれて、お話できなかったのが残念。
今度沖縄に帰ったら事務所を訪ねてみようかとふと思ったり。


「平和の礎」を立ち上げる時のご苦労は、それはそれは大変なものがあったようです。
「平和の礎」には日本人の戦没者だけでなく、敵兵のアメリカ人やイギリス人、韓国や台湾の方がた、敵味方問わず戦争で犠牲になった全ての方の名前が刻まれています。


その方達の国を全部回られて(もちろん日本全土も)、名前を刻むお願いと戦死者の確認に回ったそうです。
私なんかの想像も出来ないほど、ものすごく大変なことだったのではと思います。
何故敵国の戦死者の名前まで刻むのか聞かれたそうですが、戦争は敵も見方もなく悲惨なものだった。人間が敵か見方かではなく、国の犠牲になったのだから皆平等に刻むのだといういうようなことをおっしゃっていました。

それこそが「慰霊」の意味なのではないかと。


その後に普天間基地の移転問題で相当辛い思いをされたと思うのですが、大田さんは精力的に今もあちこち飛び回って講演活動をなさっています。
その元気の源はやはり「再び同じ過ちを犯しては成らない」という強い思いからだと思います。


それを伝えられるのは、やはり実際に悲惨な戦争を体験して来て、その時の国の態度を経験して来て辛い悲しい思いをした人間でしかできない事だと思うからでしょう。

私の中学の時の先生も、ことあるごとに「戦争はいけない、戦争はだめだ」ということをおっしゃってました。
自分は戦時中、国の命令に従って教え子たちを国のためにと戦争に行かせたがとても後悔しているのでそう言い続けるのだと。


では戦争を知らない私たちはどうすれば良いのか。
その後に講演をした田中優さんのお話しが判りやすく面白いと思いました。
大まかにいうと、きちんとした知識を持って国の言う通りになるな、人に流されるな、自分を持て、ということだったと思います。
中々難しいところはあるけど、エネルギー問題もエコの問題も、結局は同じ根元にあると思う。
戦争も、人間として根本に立ち返れば「君死にたもうことなかれ」という一言に尽きるのだけど、それがいつの間にかうやむやになっていって流されてしまう怖さ。


それを知っている方たちがまだお元気なうちに踏みとどませなければ、日本という国はどこへ行くのか、ものすごく不安な処があると、理屈ではなく感覚的に感じ取っている人たちも沢山いらっしゃると思います。
どうかお元気で頑張って欲しいと大田さんには念じて止みませんが、さて自分は?と考えて「慰霊の日」を全国的に広めようと考えて署名活動など行っている訳ですが、大田さんいわく「慰霊の日」は本当は6月23日ではなく22日である、ということなので、ありゃ?(゚ー゚;という感じですが、まあそれは本質的な問題ではないので、そのまま突っ走ろうかと。


そして自分にしか出来ない事をしよう、という田中さんの言葉に従えば、やっぱり唄しかないんじゃないかなと思い、その日のイベントの後、「唄を唄いたい!」という強い気持ちでいっぱいになって家路に着いたのでした。

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コメント

太田元知事、あこがれの方です。
平和の礎を立案されたとのこと、またすごい面を知りました。

首里にある「一中健児の塔」
http://www.uchinajoho.com/okinawa/kankochi/hontounanbu/nahashinai/icchukenji/ittyuu.htm

一中健児・・・現首里高校(師範学校)の生徒が現地召集の少年兵とされ、たくさんの犠牲者をだしたそのなかのお一人でもあり、靴下に爆薬を詰め、コールタールにひたし、米軍の戦車に駆け寄って貼り付けさせられたのだとか。当時の内地人、いい大人が未来ある少年少女になんとむごいことをさせたんだろう。

代理署名拒否の時もほねのある素晴らしい知事だと思いましたし、著書の数々もものすごい方です。

田中優さん、2年ほど前に山の中のイベントでトークセッションを見て、ミクシー日記に概要と原子力発電所を増やすのは反対ってなことを書いたら、マイミクの人に叩かれたっけ。私はいまだって田中さんの意見に賛成なのだ。

投稿: 太鼓トシコ | 2009.06.25 22:13

とても難しい問題ですネ
でも本当はhal-3さんが言うように根本は簡単なコトにあるのでしょう

日本は唯一の原爆被爆国というのは事実
第二次世界大戦の敗戦国というのも事実
そしてアジアの国々等に対して侵略した加害者であるのもまた事実

戦争による一番の犠牲者は「戦争しよう」と叫ぶ人たちではない、一般の国民

世界中の多くの人たちは戦争の愚かさや悲しさ・辛さを理解していると思う
けれど・・・
そういった声にいっさい耳を貸さない一部の人間が現代でも「戦争は必要だ」と叫んでいて、
何故かその愚かな叫びが罷り通ってしまっている

「早く目を覚ませ!」とその連中の首根っこを掴んで平和を取り戻すことができないでいるのがもどかしい


「慰霊の日」に過去の戦争について振り返り、自分なりに考える機会としたい

少しでも本当の平和に近づけるように・・・

投稿: かなぶん | 2009.06.25 22:30

としこさん、
大田さん、迫力ありました。
やっぱり何か目的を持って生きてらっしゃる方はパワーがあります。
いつかお目にかかれるといいですね。

田中さんは話が面白いですね。とても判りやすかった。
私も原子力発電所は反対です。
それで逆に核爆弾が作れる訳ですから、加害者の方にもなる恐れがあるしね。
あと、アメリカの戦争のお金は日本の国債で賄っているということを教えてくれて、間接的に加害者になっている事実を知って衝撃でした。
どうにかしなくちゃね。

投稿: hal-3 | 2009.06.25 23:30

かなぶんさん、あいがとうございます。

本当に、犠牲になるのは一般人なんですよね。
私は母親としての立場から、自分の子供たちが戦争にかり出されたら絶対阻止しますが、それがたち行かない状況にならないように祈っていて下さい。

投稿: hal-3 | 2009.06.25 23:33

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