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2007.02.09

新垣勉の「千の風になって」

Arakakitutomu
沖縄出身のテノール歌手で、新垣(あらかき)勉さんという方がいます。
私が始めてその方を知ったのはもう4〜5年前になりますが、他の方からの情報でサントリーホールでリサイタルをするということだったのですが、家は近いんだけど生憎都合がつかなくて、少し料金も高かったので行かなかったということがあったのです。

その時その方のホームページを覗いてみて、何となく心が動いたのでその時発売された「さとうきび畑」というCDはすぐ購入して聴いてみました。
良かった!
想像していたよりも良かった。
私は普段クラシックは聴かないし、まして賛美歌など興味もなかったのですが、そのCDの中に入っていた、今は本田美奈子さんの歌で有名になった「アメイジング・グレイス」を始めて(意識して)聴いて何て良い歌なんだ、と感動しました。

その後サンシンを習い始めて、いつか歌が上手くなったらこの歌を歌ってみたいなあ、と漠然と思っていたら(もちろん私が歌ったら民謡調になるだろうけど)その後本田美奈子さんのことで有名になってしまったのですが、私は失礼ながら新垣さんの方が良いよな〜と心の中で思っていたのでした。
もちろん本田さんも素敵なんだけど、年期が違うといか、度量が違うというか。

新垣勉さんは、沖縄生まれなのですが、今は東京の練馬区の方にお住まいのようです。
沖縄人のお母さんとアメリカ兵のお父さんとの間に生まれ(沖縄では良くある話だ)、その後お父さんは本国へ帰ってしまい(これも良くある話だ)祖母の元で育てられたそうです(うちの従兄もそうだ)。
しかし、新垣さんが悲劇的だったのは、出産の時の助産婦さんのミスで両目を失明してしまったことでした。
(五体満足で目も見えて耳も聞けて話しも出来る人間は全くもって恵まれているのだ。それに気付かないだけで)

そのせいで実の母親にも見捨てられた新垣さんは失望の人生を送っていたそうですが、ある日出会った教会の賛美歌と牧師さんのお陰で、今では立派なテノール歌手として歩んでいらっしゃいます。
東京のキリスト教系の大学を出た後、音大へ進み、色々な指導者に師事し、テノール歌手になられたようですが、たぶん家庭は経済的に恵まれていなかったのではないかと想像できますが、回りがその才能を見捨てなかったのでしょうね。

そして今は、全国の教会や学校などの施設を回って歌っているそうです。
サントリーホールのような大きなところでやることもあるけど、小さい施設などの方が多いみたいですね。
もう10年くらい前、まだ無名の頃にはうちの近所の教会にも来たことがあるそうな。
知らなかった。おしいことをした。

一度テレビで拝見し、目は不自由なのにとても明るく、ユーモアのある方で感心しました。
----大体私の仕事上のおつき合いのある視覚障害のある方たちも総じて性格の明るい方が多いのですが、目が見えないことが当たり前なので何も不自由を感じていないかのような感じなのです(もちろん健常者から見たら相当不自由そうだ)
いつも思うのだけど、何だろうこの方達の明るさは、と不思議でなりません。----
新垣さんは、お父様はラテン系のアメリカ人だったらしく、それと沖縄人の明るさとがミックスされて血統的(?)に明るい血は継いでいるのだろうな、と想像できました。

そして、そのラテン系の血のお陰で自分は日本人離れした声を持つことが出来て父親に感謝している、ということを書かれているのを読んだ時、涙が出てしまいました。
そうか、このヒトは吹っ切れたんだな。
親を許すことが出来たんだな。
だからその先を進むことが出きたんだな。
全てを許すことが出来たヒトは強い。
としみじみ思いました。

ところで、去年の暮当たりから秋川雅史さんという方の「千の風になって」という歌が流行っています。
とても良い曲です。
その歌を最初聴いた時、あれ、どこかで聴いたことがあるな、とすぐ思ったのですが、どこで聴いたのかが思い出せず、たぶんアニメの主題歌かテレビのコマーシャルに使われていたんだろう、という風にその時は思ったのですが、その時オットに「今秋川さんというヒトが歌って流行っている歌だよ」といわれ、ああそうか、と納得してしまいました。

その後、大晦日の「紅白歌合戦」で秋川さんが歌っているのを始めて見て、親子で感動してCDを買おう、と思いつつ今日まで来てしまい、やっとアマゾンで注文したらそのことを長男に話すと、「あれ、新垣勉が歌ってる歌でしょ?」というではないか。
「え?最近秋川雅史ってヒトが歌って有名になった歌だよ」
「いややっぱり新垣勉も歌ってるよ」
なんと去年買った新垣勉さんのCDに入っているではないか!
すっかり忘れてた〜
どおりで聴いたことある歌じゃん。
何で思い出さなかっただんだろう。

そして久し振りに聴いてみたのが、トップの画像の「命(ぬち)どぅ宝」(命こそ宝物だ)というCDです。
やっぱり良い。
最初出された「さとうきび畑」のCDは、クラシックや賛美歌の曲が多く収容されていたのですが、「命どぅ宝」では、戦争や命をテーマにした新旧の曲が多く入っています。
「てぃんさぐーぬ花」のような沖縄民謡から、「風に吹かれて」「死んだ男の残したもの」のような古い歌やモンゴル800のような新しいヒトたちの歌とか、「えんどうの花」や「涙そうそう」とか、あと今テレビで流れている老人ホームのコマーシャルに使われている歌(宮川和史が作詩作曲している)など、色々なバラエティーに富んで面白いです。
(Amazonで探したら「命どぅ宝がなかったので「さとうきび畑」を紹介します)

もちろん「千の風になって」もとても良くって、歌い方なども秋川さんと似ていて上手さもひけを取らないんだけど、ヒットするのとしないのは何が違うんだろう、と長男と話していて、テレビの力って大きいなあ、と思ったり(残念ながらビジュアル的には秋川さんのが勝っているので(^-^;))、でも長男は新垣さんがヒットしない方が不思議だ、といってます。
きっと秋川さんの方が先にシングル発売したのが良かったんでしょうね。
(VICTOR頑張れ)

でもとても良い歌い手さんなので、是非色んなヒトに聴いて欲しいなあ、と思います。
ちなみに、「さとうきび畑」は有名なベテラン女性歌手の歌っているものより数段良いと、私個人的には思います。

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» 千の風になって a thousand winds [ネット社会、その光と闇を追うー ]
a thousand windsAuthor Unknown [続きを読む]

受信: 2007.02.10 01:55

» 傷跡を癒やす歌 ― 新垣勉のこと ― (1) [てつりう美術随想録]
 昨年の紅白歌合戦以来、「千の風になって」という歌がよく聴かれているらしい。歌ったのは秋川雅史というテノール歌手で、CDもかなり売れているようだ。そのブームの煽りを受けて、新垣勉という別の歌手が吹き込んだCDも、よく売れているという。  新垣勉の名前は、何年か前からCD店でよく見かけていたし、その特徴ある風貌も知っていた。彼が全盲であるということも、うすうす知っていた。だからこそ... [続きを読む]

受信: 2007.02.10 16:06

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